「クレームないから大丈夫」は危険!

ずいぶん前から「クレーム対応の研修」を依頼される方が多く、今ではカスハラ対策が義務化され、その対応も複雑になってきました。忙しい業務の中でクレームに対してどんな意識を持つことが必要なのでしょうか。スキルを身につける前に、クレームに対する考え方を振り返ってみたいと思います。

本当にクレームはないの?

時々「うちはクレームはないから問題はない」と言われる先生がおられます。それは良いことではありますが、今では多くの医療機関が「どんな風にいいサービスを提供していこうか」と切磋琢磨している時代です。私は「クレームがないから安心」という言葉に少し不安になります。なぜなら現状に満足することで、進歩の速度が停滞してしまうからです。
複数の病気をお持ちの患者さんはいろいろな医療機関を受診しながら、良い悪いを比べているということを忘れてはいけません。

「患者さんは我慢している」と想像しよう!

患者さんは不満を感じても、多くの方は我慢していることを忘れてはいけません。
お世話になるから、嫌われたくないから、仕方ないから遠慮する。治るまで我慢しておこう・・といった心理が働き、少しずつ不満を溜めこみ、そしていつかクレームとなって爆発する。または最悪の場合、黙って転院されるということに繋がってしまいます。
聞こえない声をどのように察知し、今以上に気持ちよく通院していただくよう、積極的に進化していくことが必要なのです。
自分たちが「満足する」ということで、向上することを止めてしまったり、患者さんの様子から何かを感じ取ろうとする積極的な関り方や気配りが鈍化してしまうのではと思うのです。
クレームがないからOKではなく、「患者さんは100%満足しておられるわけではなく、常に自分たち自身が患者満足100%を目指す」ということを念頭に置いておかなくてはいけないのです。いえ、100%だったら多くの医療機関が目指しているでしょう。選ばれるためにはその上の120%を目指す必要があるかもしれません。
常に「なにかお困りのことはございませんか」「お聞きになりたいことはありませんか」と患者さんの不安に寄り添い、積極的に関心をもって接することで、患者さんから「いつも親切にしてくれてありがとう」「優しい気遣いが嬉しいよ」などとお褒めの言葉をもらえるようにならなければなりません。
「クレームがないから大丈夫」という意識を捨て、「心から満足していただいているだろうか」と患者さんの気持ちを推し量り、改善点を探しながら、より良く進化していくという姿勢を持ち続けたいものです。