「NOといわないサービス」のつくり方  

どの医療機関でも患者さんに満足してもらいたいと努力をされています。
しかし気持ちはあってもどうしようもないこともたくさんあります。
そんな時患者さんは「なんでできないのか。院長を出せ!”などとクレームになることもあります。おもてなしが美徳という日本ではお客様を大事にするということが当たり前で、医療にもこういったサービス感覚が求められていることを感じます。ちょっとオーバーな言い方ですが、おもてなし過剰時代、どうやってこの難局を乗り越え、せっかく来ていただいた患者さんに満足していただけるか考えてみましょう。

とにかくできることをやってみる。フットワークの軽さが大事

私はやはり気持ちの持ちようが一番だと思います。
「これは無理だな・・」と思ったとしても、とりあえず否定せず相手の気持ちになり、とりあえずご希望に少しでも近づくことができないか考え、とりあえずできることをやってみる。
“軽いな~”と思われるかもしれませんが、「とりあえず精神」で少し気軽に行動することで、結果いい方向に解決できることもあるものです。最初から無理と決めつけず動いてみることが大切です。完璧を目指すと手も足も出しにくいのではないかと思いますので、とりあえず精神でフットワークを軽くしましょう。
患者さんは、とにかく「自分のために行動してくれた」ことで、「一生懸命やってくれた」と誠意を感じ納得される部分が多いと思うのです。

機転をきかせてくれたスーパーのレジ担当者

こんなことがありました。
あるスーパーのキャンペーンでポイントが多くもらえる日、張り切っていつもより多めの買い物をしていました。いざ支払いに行くとシステムの不具合でカードが使えないというのです。
「せっかく多めに買ったのに残念・・」というと、レジの方は私の顔色を見て、「ちょっとお待ちください。そろそろ復旧しているかもしれませんね。ちょっとカードを通してみましょう」と私からカードを受取り確認されました。
結局まだカードは使えませんでしたが、店員さんの機転の利いた行動で不満は解消し、その後も気持ちよく買い物に行くことができています。
些細な事ではありますが、その時のその人の誠意のある行動が不満を爆発させるか、払拭するのかを決めるのです。
何か言われたら「クレームになったらどうしよう」と怖がらず「とりあえずやってみよう」という気持ちで取り組んでみて下さい。

NOという言葉を使わないサービス

「とりあえず」でもやってみるわけですから、患者さんに対して「できません」ということは言わなくなります。「できるかどうかわかりませんが、一度調べてみます」「ご希望に添えるかどうか、確認して参ります」という肯定的な対応になります。
この肯定的な対応は、患者さんにとって「誠意ある対応」となり、たとえ希望通りにならなかったとしても「話を聞いてくれて、なんとかしようと行動してくれた」という気持ちになります。

例えば待ち時間、多くの患者さんは家を出るときからある程度は「待たされる」ということを覚悟されています。しかしそんな心の準備をしていたにも関わらず、なぜ不満がたまっていくのでしょうか。それは待ち時間そのものへの不満も大きいですが、何の説明もなくただ待たされることに不満が大きくなるのではないでしょうか。       
患者さんは「なぜ待つのか」「どのくらいかかりそうか」ということが知りたいのです。
こんな時スタッフが患者さんの様子から気持ちを察して、「今日はお待たせして申し訳ありません。今の待ち時間をお調べしてきますね」などと配慮し、患者さんにおおよそでもいいので、後何分後に呼ばれそうか、何番目になっているかといったことをお伝えするのです。
決して「待ち時間は短くできません」「順番は早くなりません」などと「NO」を突き付けるのではなく、「今このような状況ですがお待ちいただけますか」と謙虚な気持ちで患者さんに寄添うことが大切です。患者さんは状況を把握できる安心感やスタッフの気遣いに対する満足感で、待ち時間への不満が少しは払拭されるのではないでしょうか。物理的な待ち時間は変わりませんが心理的な待ち時間が短縮され、また気持ちよく待てるのではないかと思います。
この気持ちよく通院できる・・ということが非常に大切なことだと思います。
ぜひ「NOと言わないサービス」を目指してください。