始まりは「第一印象」
毎日多くの患者さんが訪れる医療機関、「ここなら大丈夫かな」「きちんと治療できるだろうか」など様々な不安や期待を込めて多くの方が来院されます。そして治療はそこにいる医療従事者との接触から始まります。安心してお任せできるかどうか、患者さんは必至で見抜こうとしています。その始まりには「第一印象」という人間の素直な気持ちがあります。今回は接遇に欠かせない第一印象について考えてみたいと思います。
第一印象が大切なわけ
接遇にとっても「第一印象」は大切な要素です。
人は生活する中で、できるだけ穏やかに過ごしたい、そのために少しでも良い人間関係を作ろうとします。その時の行動が接遇であり、その始まりは第一印象なのです。
人は第一印象で、相手に対し出会って数秒で好ましい存在かどうかを判断し、会話を始めて10秒ほどでその判断が正しいかどうかを決定するのだそうです。最初に受け取った印象を土台にして相手との関わり方を考慮していく、関わり方の基準にするということでしょうか。第一印象しだいで「安心して接することができる」とか「少し構えてしまう」という感情ですね。心理学では、対人認知、初頭効果というそうです。
第一印象 3ポイント
では,
よい第一印象を持ってもらうためにどんなことが必要となるでしょうか。
私は、 <笑顔+よい姿勢+ウエルカムの気持ち(よい関係を作りたいという前向きな気持ち)>
この3つのポイントが大切だと思っています。
第一印象は理屈ではなく、相手に会った瞬間に感じる「好きか苦手か」といった本能的な直感、
表情やその人の持つ雰囲気の影響がとても大きいものです。テレビ越しに見ているだけで、会ったことも話したこともないのに、好きとか嫌いとか私たちは感じていますよね。内面はよく話してみないとわかりませんから、まずは外見的な要素で判断してしまうということになるわけです。
このように言葉を交わさなくても、表情や姿勢など外見的にも明るい印象のプラスイメージを持ってもらえば、その後のお付合いにとってプラスの効果につながっていくことでしょう。
「目」は特に重要
私は笑顔の中でも「目」が特に大切だと思っています。
なぜなら第一印象の3ポイントでの「ウエルカムの気持ち(よい関係をつくりたいという前向きな気持ち)」が目に表れるからです。
「目は口程に物を言う」という言葉がありますが、出会った時、多くの方がまず目を見ると言います。そしてその時の印象が相手のイメージとしてずっと心に残ります。これは言葉よりも先に感じる相手に対するインスピレーション、それは「人柄そのもの」であり素直な感情そのものだと思います。ある人が「目は噓をつかない。わずか0.2秒で本音が出る」と言っていました。どんなに髪型や服装に気を遣っても、丁寧な話し方をしても、本心は目に出ているということです。
医療従事者の笑顔
病気で不安な患者さんと接する人には、その不安を少しでも和らげてもらおうとする心遣いが必要です。患者さんはスタッフの表情、態度から“優しそう・誠実そう・安心できそう”などの雰囲気から、「この人なら大丈夫」という安心感を受け、そこから治療のプロセスが始まっていくのです。
接遇ってなに?
そもそも接遇とは何なのか。私は一言でいうと「相手の立場に立った思いやりの行動」だと考えています。ですから接遇は自分のためでなく、相手のためにする行動。笑顔も相手のために微笑むということです。人間ですから体調の悪い日もあるでしょう。嫌なことがあって気分の優れないこともあるでしょう。しかし患者さんを前にしたら、患者さんの不安な気持ちを少しでも和らげるために、自分の事情は横に置いて相手のために微笑むのです。
「おはようございます。初めてのご来院ですか?」と笑顔で迎えてくれたら嬉しいですよね。その時の印象が病院の印象となり、この第一印象はその後も強く心に残ります。その思いがその後の治療にプラスに働いていくことを意識しておかなければなりません。その逆になるようなことがあっては絶対にいけない、肝に銘じて下さい。
人生は出会いの連続、仕事だけでなく良い人間関係を作っていくためにも「笑顔」を忘れず、接遇を上手に活用して下さい。きっと人生のプラスになるはずです。
そして人間関係の第一歩である第一印象を「相手の心の扉を開くための鍵」だと思って大切にしてください。


